世界のオリーブオイルの、およそ半分。それがスペイン一国から出てきます。文字どおりの世界最大の生産国です。この国では、オイルは「使うもの」というより風味の土台そのもの——いわば液体の調味料。サラダ、炒め物、揚げ物、仕上げのひとかけまで、出番のない場面がありません。

オリーブオイルを注ぐ

世界一の生産国スペイン

とりわけ南部です。アンダルシア地方を車で走れば、視界の端から端までオリーブ畑。太陽を浴びきったその実から、風味の濃いオイルが搾られ、瓶に詰められ、世界中の台所へ届いていきます。

主な品種と味わい

オリーブにも品種がある——ワインのぶどうと同じです。代表格は、力強い苦味と辛味で押してくる「ピクアル」、そしてまろやかでフルーティな「アルベキーナ」。青々しい香りから甘くやさしい風味まで、幅は驚くほど広い。食用オリーブの実にも同じ違いが表れますし、チーズが土地ごとに顔を変えるのと構造はよく似ています。

エクストラバージンとは

等級の頂点が「エクストラバージン・オリーブオイル(EVOO)」。化学的な処理を一切せず、搾っただけの一番搾り。だから香りと風味がもっとも豊かに残ります。

使い方はひとつ、加熱しないこと。パン・コン・トマテやサラダに、あるいは焼き上がった皿へそのままひとかけ。と同じで、最後の一滴が味の輪郭を決めます。

料理での使い方

アヒージョのようにオイルが主役を張る料理もあります。アリオリなら、にんにくと乳化してソースに姿を変える。タコのガリシア風の仕上げにひとまわし、薪料理の香ばしさに寄り添わせる——役どころは無数です。

良いオイルを一本、台所に置く。それだけで日々の料理は一段変わります。

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