サプライズには、ひとつの矛盾があります。

相手に知られてはいけないのに、店には知らせておく必要がある、ということです。この二つを両立させるのが、成功の条件です。

当日の思いつきは、うまくいきません

「今日、実は誕生日なんです」——ご来店時にそう言われることがあります。

もちろんできることは探します。けれど正直に申し上げると、当日にできることは限られます

食材は前日までに仕入れています。コースの流れも組んであります。火の準備も来店数に合わせて進めています。そこに急な変更を差し込むと、他の部分にしわ寄せが出る。

前もってご相談いただければ、最初からそのつもりで一夜を設計できます。同じ手間で、仕上がりがまるで違います。

事前にご相談いただきたいこと

何のお祝いか。 誕生日、結婚記念日、昇進、快気祝い——祝う対象によって、締めくくり方を変えられます。

相手に知られたくない範囲。 ご予約の名義、当日の声かけの仕方、伝票の扱い。どこまで隠したいかをうかがえれば、こちらの動きを合わせます。

タイミングのご希望。 食事の最後がよいのか、途中がよいのか。段取りを共有しておけば、合図ひとつで動けます。

相手の好み・苦手なもの。 サプライズの主役に「これ食べられない」と言わせてしまっては本末転倒です。わかる範囲でお知らせください。

お祝いの設えをしたテーブル

連絡の取り方

相手と一緒にいる時間が長いと、電話をかけづらいことがあります。

そういう場合は、ご予約時にその旨をお伝えください。こちらから連絡する際の方法(電話を避けてほしい、この時間帯なら大丈夫、など)を決めておけば、当日まで気を揉まずに済みます。

ご用意できるかどうか

※デザートプレートへのメッセージ、花・ケーキの持ち込み、装飾の可否については確定後に掲載します。 ご希望がある場合は、まずお電話(090-1717-0050)でご相談ください。できること・できないことを正直にお伝えし、代案も一緒に考えます。

火という演出

特別な装飾がなくても、この店には薪火があります。

炎の前に座っているだけで、その夜は普段と違うものになります。とくにカウンター席では、調理の一部始終が目の前で進む。凝った演出を足さなくても、火そのものが十分に非日常です。

クレマ・カタラーナのように、仕上げに表面を焦がす菓子をお出しすることもあります。最後にもう一度、火の音で締めくくる——それだけで記憶に残ります。

驚くのは、相手だけでいい

サプライズがうまくいくとき、店の側は驚いていません。

段取りを知っていて、タイミングを待っていて、合図で動く。準備が整っているからこそ、主役だけが何も知らずに驚ける。

そのために、こちらには先に教えてください。秘密は守ります。

芦屋・苦楽園の坂の途中で、その一夜をご一緒に組み立てます。